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書評 「きちんと生きている人がやっぱり強い」 内海実 著

 真面目に生きる人が結局成功するという事が本書の主張である。近年賢い生き方や、自分を中心にして生きるという生き方があまりも持て囃されている。寡黙で静かな人ではなく、確かにノウハウや技術というのは生きる上で大切な要素である。しかし小手先の生き方は永続きせず、結局地味でも誠実な生き方をする人が最終的には成功すると著者は述べる。

 

 誠実な生き方① 自分から挨拶をする

 自分から挨拶をすると自然と生活が豊かになっていき、反対に挨拶をしない人は生き方が窮屈になっていくと著者は述べます。小学生の頃から挨拶をしようと教わってきたはずなのに、挨拶をしていない人は多いのではないでしょうか。私自身職場で話したことのない人に挨拶はできていません。無視されたらどうしよう、恥ずかしいという気持ちが先にきてしまうからです。確かに挨拶を少々しなくても特に問題はないでしょう。しかし挨拶をしている人としていない人では、長期的に見ると大きな違いが生まれてきます。 

 挨拶をするというのは自分から心を開いているという事です。挨拶をすることで自然と繋がりができ、自分の周りに人が集まってくるようになります。挨拶をする人があまりにも少ないため、挨拶を率先してするだけでウリになるのです。しかし挨拶をしない人は結局相手を信じる事ができていないという事です。話したこともないのに「あいつはイケ好かない奴だ」「なんか雰囲気がいやだ」などと見下したり、疑ったりするようになります。そしてその気持ちは確実に相手にも伝わっていきます。挨拶をするという一見なんでもないことでも、誠実に毎日続けることで最終的に信頼される人になって生きます。

 

 誠実な生き方② まっすぐに生きる

 近年最短で効率よく目標地点に到達する生き方がもてはやされ過ぎているようになっていると著者は述べています。私もYoutubeを見ると効率の良い勉強の仕方、人間関係の断捨離、自分らしくなどというトピックが人気であるように思います。確かに効率の良い生き方というのは大事でしょう。しかし反対に人間味があり、人情を大切にするという生き方もやっぱり大事です。

 例えば同僚に仕事が集中していて大変そうな時、あなたならどうするでしょうか。自分らしく生きるというのなら確かに、そのまま定時で帰るというのもアリでしょう。しかし「大変そうだな」と自分も残業をし手伝ってあげるという人はやっぱりありがたい存在です。だからこそ次に自分が困った時に助けてもらえるのだし、結果的に成果に繋がったりもします。

 効率が重要視されている世の中ですが、人間関係までも効率化しては成果という面から見ても悪い方向に進んでしまいます。しっかりと仕事はこなすけど、仲間には優しい人が結局は大成します。

 

 誠実な生き方③ 真面目にコツコツと努力する

 少し被ってしまうのですが、何か物事をなす時に真面目にコツコツと努力をできる人が結局は評価され結果を残していきます。現代は検索すれば何でも答えば出てくる世の中です。そのため仕事の場においても上手くいかなければすぐに諦めたり、すぐに人を頼ったりする人が多いように思います。

 私の身の回りにも、すぐに人に頼るAくんという新人と、口数は少ないけど真面目にコツコツと仕事をするBさんという新人がいました。Aくんは腰をすえて考えるのが苦手なタイプでわからないことがあればすぐに先輩に聞くタイプでした。反対にBさんはわからないことがある時こそ真剣にパソコンと向き合い考えている姿が印象的でした。数ヶ月立った時にA君は周りからあまり信用されず、確実に仕事をするBさんは信用され仕事が集中するようになっていました。

 すぐに答えをしろうとしたり、要領よく生きるの時には大切ですが、基本的にはBさんのように愚直に生きる方が結果を残します。何でも答えが出てくる時代だからこそ自分の力で真面目に愚直に生きることが大切です。

 

このように現代はネットの発達と同時に、効率性というものがもてはやされ過ぎていると思います。しかし社会や組織というのは効率性だけで動いている訳ではありません。人情や、繋がり、そして信頼で構成されているのです。そのような中で真面目にコツコツと生きる人が結局は信頼され結果を残していきます。