自分のペースで

大好きな読書を中心に、日々の気づきを綴ります。 目標→100記事執筆

おかえりモネ 7月7日

 内容 

 震災の後遺症でアルコール依存症になってしまった真司。あやこの献身もあり症状を抑えられていたのだが、またお酒を飲んでしまう。震災で最愛の妻を亡くしてしまった事。自分の全てであった船を流された事。そしてお金という現実的な問題。どうしようもない現実のなかでもがいている。そんな姿を見てモネは、自分にできる事なんてないと不甲斐なさを感じる。気象予報士試験に合格したからといって何かができるなんて思えないと。気象予報士になっても誰かの役に立つかも分からない。どう繋がるか分からない。それでも今の自分には、勉強するしかできる事がないと再び決意する。

 

 感想

 自分にはできる事がない。震災という自然災害に見舞われた人間に対して、現実的にしてあげられる事がないという葛藤が印象的であった。自分の大切な人、目の前で苦しんでいる人に何かをしてあげたい。けれど結局のところ現実的にできる事なんてすぐにあるわけではない。真司の親友である浩二も、気持ち的には銀行マンとして融資をつけてあげたかった。でもそれがどうしても現実的には難しい。どうしようもない事だからだ。でもそれでも前を向かなくてはならない。だって前を向かなくては進めないからだ。何ができるか分からなくたって、自分を不甲斐なく思ったって、できる事を1つ1つ行うしかない。そんな一歩を歩むのは勇気のいる事だ。だってそれが結実するとは限らないからだ。それでも地道に進むしかない。

 モネの最後の決意が、地道な一歩を歩むしかないという決意を表している。気象予報士という仕事がもしかしたら、人の役に立てる事かもしれないと思った。震災で苦しむ人の役に立てるかもしれない。しかしそれはどこまでいっても、可能性である。どうなるかは分からない。モネも未来が分からないから不安になるし、迷ってしまう。それでもモネは「勉強するしか今の自分にできることはない」と決意する。ここに大事な事が全て集約されていると私は思う。

 私はプログラマーを目指している。モネと同じように、誰かの役に立てると思ったからだ。誰かの役に立ちたいと思う瞬間があった。自分の不甲斐なさに情けなくなる事もあった。というかそんな事ばかりだ。プログラマーとして具体的に提案できるようになれば、そんな自分を乗り越えられると思っているのだ。でもやっぱり迷う。迷うけど、結局は勉強するしかないのだ。一歩を踏み出していくしかないのだ。未来が分からなくたって、自分に自信がなくたって、やっぱり歩む事しかできないのだ。

 でもその一歩はもしかしたら、自分の未来を、身近な人の状況を変えられるかもしれない。何もできないかもしれないど、同時に何かができるかもしれない。唯一確かなことは不安だからといって何もしなければ、今と全く一緒だということだ。きっと同じ状況にぶつかった時、同じように自分を不甲斐なく思って終わりだろう。そんなのは嫌だから進むしかない。モネを見ているとそんな風に、大事なことに改めて気づかされる。モネと一緒に成長しよう。そんな風に思う。