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落合陽一著 「これからの世界をつくる仲間たちへ」を読んで

 最近現代の価値観の変遷にふと驚いた。従来誰もが信じていた価値観が下落していき、新たな価値が台頭してきたのだ。芸能人のヒロシといえば、「ヒロシです」で始まる自虐的なネタで10年前に有名になったが、いつからかテレビでは見なくなり、一発屋として落ちた芸人だと思われていた。しかし、最近趣味である「1人キャンプ」をネット上でアップする事でその購読者は20万人を超えて、さらには本まで出版するまでになっている。またキングコングの西野といえば、はねるのトビラで有名であったがクセの強い性格のため嫌われておりそのためにテレビからも淘汰されたのだと思っていたが、今や1つの強固な立ち位置を築いている。一般的には受け入れられない価値観や、考え方がそれを貫いた結果評価され、より多くの人に支持されるようになる。今まで普通だとされていた価値観が崩れていき、新たな価値観を作れる人が徐々に評価される時代になってきたのだ。

 さて、今回紹介する落合陽一氏の「これからの世界をつくる仲間たちへ」は、IT化が進んだ現代の価値観の変遷や、その世界で生き残るために必要な性質を描いている。

落合氏は、コンピュータに淘汰されるホワイトカラーと、コンピューターに使われるブルーカラーという構図に切り替わっていくと述べている。例えば、タクシー会社において配車を行う管理者はコンピュータに代わり、その分ドライバーの給料が上がると言われている。確かに、コンピュータの処理速度は、どんなに優秀な人でも太刀打ちできないスピードである。 今までは、管理者とは優秀な人が行う役割だったのだが、コンピュータにその役割を取られてしまうかもしれないのだ。 

 ではそのような新たな価値観の社会でどのようにして我々人間は生き残っていけば良いのか。落合氏は、「強烈なモチベーションを持つこと」だと述べている。コンピューターにできないこと。それは、モチベーションを持って作業を行うことである。コンピュータにできることはあくまで、指示に従い処理を行うこと。その方向性を示すのは強烈なモチベーションのある人間なのだ。反対にいうと、モチベーションのない人間はこの先淘汰されていく可能性が高いということである。  

 本を読んで見て、自分の中にあるモチベーションとはなんなのだろうかと考える。途上国支援というのは1つのモチべーションである。フィリピンでであったあの子供達が豊かに暮らせる社会を作りたい。昔ではできなかった事が、現代のIT社会では可能なのだ。そしてそれをもとに専門性を掘り下げていく。専門性とは強烈な問題意識とモチベーションに支えられているものだろう。

 現代社会で必要なことは、自分の個性をどれだけ信用できるかという絶対的な自信である。人類の歴史を考えて見てもこれほどまでに、個人が活躍できるプラットフォームが整っている時代は珍しい。自分の中にあるモチベーションと、それに裏づけされた専門性を磨いていきたい。