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才能がなくても夢は実現できる 

「才能がない自分には目標は達成できない」

「才能がないから夢を抱いても意味がない」

「自分は何をやってもダメだ」

 自分には才能がないから努力したって無駄である。このように思っている人は多いのではないでしょうか。何か挑戦してみたい事はあるけれど、自分には才能もないし頭も悪いからやっても無駄と諦めてしまう事ってありますよね。私も同じように「どうせ1流にはなれないから楽器なんてやっても無駄」「どうせ喋れるようにならないから英語を勉強しても無駄」「頭がよくないからプログラミング なんてできない」このようにやってみたいことを諦めてばかりでした。しかし実は夢を実現する為に必要な事は才能ではなく「やり抜く力」なのです。今回はありとあらゆる目標を達成する為に必要な「やり抜く力」について紹介します。

 参考文献は アンジェラ・ダックワース氏の「GRIT やり抜く力」です。

 

 夢を実現する為には才能よりもやり抜く力が重要 

 「GRIT やり抜く力」の主張は偉大な結果を残す為に必要な事は才能ではなくやり抜く力であるということです。いやいや才能がないとピアノのプロにはなれないし、才能がないと野球選手にはなれない。才能がないのなら夢なんて追わずに堅実に生きた方が良いよ。テレビを付けたら大人顔負けの歌唱力が披露され、前人未到の快挙を成し遂げるアスリート姿が映し出されます。そんな時コメンテーターはあの人は才能があると評価します。

そんな中でダックワース氏は才能は成果にはそれほど関係がないと結論したのです。

それではどうして才能よりもやり抜く力の方が大切なのでしょうか。

 

 最後に結果を残す人は才能よりもやり抜く力が強かった

 「やり抜く力」の中で、野球選手やアーティスト、営業職やコメディアンなど様々な人を対象に、一般的な人と違い特出している能力は何かについて研究した結果があります。その結果分かった事は多くの場合才能よりもやり抜く力が特出していたという事です。才能はないけれどやり抜く力が高い為結果を残した人や、逆に才能があってもやり抜く力が低い為に結果を残せないという人もいました。つまり才能があっても壁にぶつかった時に諦めてしまっては結果に繋がる前に終わってしまう。しかし才能がなくても壁にぶつかった時に諦めず日々一歩一歩進んで行くならば、誰でも結果を残す事ができるという事です。

 

 ダーウィンもやり抜く力が強かった

 種の起源で有名なチャールズ・ダーウィンですが、彼の話を聞いた時に多くの人がダーウィンは自分とは違う天才なんだと思うのではないでしょうか。しかし実際にダーウィン自身は自らの事を才能があるのではなく諦めずに研究をし続けたからと評しています。以下「やり抜く力」のなかでダーウィンの伝記を紹介している部分です。

「私が普通の人よりも優れている点は、普通なら見逃してしまうことに気付き、それを注意深く観察することだろう。〜中略〜 更にそれにも増して重要な事は、自然科学に対して尽きせぬ情熱を持ち続けている事だ」

「やり抜く力」p41

どうしても私たちは想像もつかないような結果を残す人をみた時に才能があるのだと思い込んでしまいます。しかし実際は、ある事に対して くる日も来る日も考え続け行動し続けるという当たり前の事を積み重ねた結果なのです。

 

 どうしてあの人は才能があると思ってしまうのか

 偉大な結果を残す人は才能ではなく、やり抜く力が強い。それではどうして私たちは「あの人は才能があるのだ」と自然に思ってしまうのでしょうか。この事に関してドイツの哲学者ニーチェは「神格化した方が楽だから」と語っています。

 

「我々の虚栄心や利己心によって、天才崇拝にはますます拍車がかかる。天才というのは神がかった存在と思えば、それに比べて引目を感じる必要がないからだ。『あの人は超人的だ』というのは『張り合っても仕方ない』という意味なのだ」

「やり抜く力」p66

 「あの人は才能がある」と思えば自分は努力する必要性がなくなる為に才能を重視してしまうとニーチェは結論付けたのです。確かに私自身も日常生活の中で無意識のうちに誰かの事を神格化しています。例えば学生時代、成績が学年でトップの人をみると「あいつは才能があるんだ」と思っていました。しかしその背景には幼い頃から勉強に向き合い続けたという事実があるのです。そしてその友達を目指すどころか努力もせず言い訳ばかりしていました。努力をしない自分を正当化する為に友達のことを自分とは違う人間なんだと思っていたのです。「あの人は才能があるのだ」と思い込むことの怖さとは自分自身が向上するための小さな努力をしなくなることです。

 

 なぜあの人は一度決めたことをやり抜く事ができるのか

 結果を残すのに大切な事は才能よりも1つのことを何年もやり続けることです。それでは一般的な人とやり抜く力のある人はどのような違いがあるのでしょうか。やり抜く力のある人は4つの特徴があります。

 

① 「興味」 自分のやっている事を心から楽しんでいる事。やり抜く力の強い人は好奇心旺盛でこの仕事が大好きだと言う。

 

「練習」 昨日よりももっと上手くなろうとすると努力する事。自分の興味がある事に関しては日々目標を設定して練習し続ける。

 

「目的」 自分の仕事が重要だと確信している事。目的意識を持てない事に興味を持ち続ける事は難しい。やり抜く力の強い人は自分のやっている事に対して他の人の役に立つという目的感を持っている。

 

「希望」 壁にぶつかっても乗り越えられると言う希望を持っている事。挑戦をするとき、壁にぶつかった時などあらゆる局面で乗り越えるための希望を持っている。

 

このように大きく分けて4つの要素がやり抜く力の高い人に共通する特徴です。著者のダックワース氏はこの4つの要素に着目し練習を行う事でピアノや数学と同じようにやり抜く力も成長させる事ができると述べます。それではどうすればやり抜く力を伸ばす事ができるのでしょうか。「興味」「練習」「目的」「希望」と言う4つの要素を伸ばすための方法を紹介します。

 

 

やり抜く力を伸ばす方法① 興味があることを見つける

 何かを成し遂げる為にはその事に興味があり、好きである事が大事です。なぜならば上達する為には、練習をし、研究に励み、常に学び続けるなどやるべきことがたくさんあるからです。それほどの労力をかける為にはまず、やろうとしている事を好きでいる必要があります。好きでもない事に多大な労力をかけ続ける事などできません。

そしてその何かを必死に努力する前に、まずはどうすれば楽しむ事ができるのかを考える事が大事です。

 私自身は興味があることをやるという意識で、最近ベースを初めました。その中で大事にしている事は無理をしないという事です。ベースを練習すると指遣いが上手くいかずにイライラとしたり、綺麗な音が出ず落胆したりすることもあります。しかしあまり気にしすぎないようにすることで、継続して練習ができています。とにかくまずは難しいことを考えず、楽しむことを通して興味を沸かせる事が大事です。

 

やり抜く力を伸ばす方法② 目標を決めて練習する

 やり抜く力が強い人は多くの場合、目標を定めてそれを乗り越える為に練習をしています。ダックワース博士の「やり抜く力」の中に事業や芸術の分野で成功を収めた人を対象にしたインタビューの様子があります。

「例えば俳優ならこう言います『どの役も完璧にこなす事はできないけど、できる限り最高の演技をしたい。そしてどの役を演じる時も、何か新しいものを生み出したい。』作家なら『どの本も、前作を超えるものを書こうと思って書いている』」

やり抜く力p166

 ただ漫然と練習するのではなく、弱点の克服のために明確な目標を定めて努力する。

このような計画的な練習のことを「意図的な練習」といいます。意図的な練習を繰り返し目標を突破するという達成感がやり抜く力を伸ばすのです。

 

 

 

やり抜く力を伸ばす方法③ 目的感を持つ

 やり抜く力のある人に共通する事は目的感を持っているという事です。単純に楽しいからやっているのではなく、自分がやっている事が他の人のためになると意識している人が多いのです。何かをやり抜く途上では嫌なことや、逃げ出したいことの連続です。しかしそれでも続けるのは、労力が最終的に誰かの役に立つと信じているからです。

 私自身大学の時に、所属しているサークルで今まで前例のないイベントを立ち上げた事があります。前例のないイベントを企画して実現させるのは大変な事です。場所の確保、宣伝、集客、準備など全てを一からやらなければならないからです。想像以上に上手くいかず諦めそうになったのですが私は最後までやり切り無事にイベントを開催させる事ができました。それは「このイベントの開催によりサークルの停滞感を打破できる」と信じていたからです。 目的感があったからこそ辛くても最後までやり切る事ができました。

 目的感がないと上手くいかない時に挫折してしまいます。自分のやろうとしている事が他の人にとってどのような影響を及ぼすのか。どうして自分はそれをやっているのか。という目的感を持つ事が大事です。

 

 

 

やり抜く力を伸ばす方法④ 絶対に乗り越えられると信じる

 やり抜く力の強い人は絶対に壁を乗り越える事ができると信じている人が多いです。何かを継続してやると確実に上手くできないことや、失敗があります。その時に絶対に乗り越えられると思えば、着実に努力を重ねる事ができます。しかし自分には乗り越えられないと悲観的になってしまえば、努力をせず諦めてしまいます。このように困難に対して楽観的になるか悲観的になるかというマインドセットの違いがやり抜く力に大きく影響するのです。そのためにも、努力してもどうせ無駄と考えてしまうそのマインドを変化させる努力が大事です。マインドセットについてはこちらでまとめてあります。

 

 まとめ

今回の記事では才能よりもやり抜く力が大切であると言うことを説明しました。

まとめると

 物事を成し遂げる為に必要な事は才能ではなくやり抜く力である。そしてやり抜く力のある人は「興味」「練習」「目的」「希望」という4つの要素を持っている。そしてやり抜く力はこの4つの要素を軸に練習する事で鍛える事ができる。

という事でした。

何かに挑戦してみたいとき、才能がないから無理だと思うのではなく、やり抜く事で少しづつ前進できると思う事が大事です。

 

参考文献

アンジェラ・ダックワース 「やり抜く力(GRIT)ーー人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける」