トルストイ「アンナ・カレーニナ 第4巻」 平凡こそ偉大
あらすじ
感情のままに愛を貫いたアンナとヴロンスキーの生活は次第に破綻していく。猜疑心と嫉妬心に苦しむアンナは、最終的に自殺を選ぶ。なぜアンナは自殺したのか。人を死にまで追い詰める「愛」とはなんなのか。 トルストイの代表作、アンナカレーニナの 最終巻。
なぜアンナは死んでしまったのか
なぜ自殺を選んでしまう人がいるのだろうか。そんなことを思いながら読んでいた。アンナのヴロンスキーに対する愛は、次第に嫉妬と猜疑心に変貌した。
「自分への愛は冷めてしまったのではないか。」
「他の女のところに行ったのではないか」
「彼まで失ったら自分には何もなくなってしまう」
ヴロンスキーが憎い。もしも自分が死んだら、ヴロンスキーは後悔するだろう。
美貌もあり、人望も名声もあったアンナ。たった一度の恋愛で、絶望へと沈んでしまった。
なぜ自殺をしてしまう人がいるのか。という疑問は正直いってわからない。
けれど、どんなに裕福で幸福そうな人でも、
たった一つの選択の間違いで人生が一変してしまう。事があるのだろうと思う。
だからこそ、安易に人を傷つけるような冒険をしてはいけない。
いつでもブレーキをかけられる自分でなくてはならない。
平凡を愛する勇気
アンナとヴロンスキーと対に描かれている、キティとリョービン。2人には特別大きな事件も起こらず、何気ない日常を過ごしている。
リョービンはヴロンスキーに比べると地味で、見た目的にカッコ良いタイプではない。
しかしキティの事を誠実に愛して、平凡な日常を大事に守ろうとしている。
人から注目されたり、規模の大きな事をするともてはやされる。
しかしそれで身近な人を傷つけたりするのでは本末転倒である。
あっと驚くような大きな事ではなくても、 身近な家族、仕事、同僚、友達を大事にできる人は偉大だ。
アンナカレーニナ 読了後
アンナカレーニナ も全4巻すべて読めた。大学の頃に一度読んだのだが やはり、成長してから読むと感じることも違う。
分かることは、人生に絶対的な正解なんてないということだ。
何が起こるかわからない。
幸せだってずっと続くなんて限らない。
人生の長いスパンの1地点を見て、誰かと比較して落ち込んだり、反対に喜んだりするのは浅はかだ。
真面目にコツコツと生きていこう。